第23回「肩こり、首こり、そして頭痛」
近年のパソコン社会、車社会そしてスマートフォンの普及などが原因で、軽い重いは別として、10人いれば8~9人は肩こり及び首こりを抱えてるというのが現状でしょう。
当院におきましても、年々「肩こり」「首こり」を訴えて来院される患者様は増えております。
格安のマッサージ店があちらこちらにどんどん出来てるのもそのせいではないでしょうか。
肩こり・首こり=マッサージ・揉んでもらう
と、お考えの方が多いように思いますが、その考えは実は正しくはありません。
確かに一時的に気持ちよくなったり、楽になったりするにはいいと思いますが(*間違ったマッサージで悪化することもあるので要注意)、根本改善には繋がらず、しばらくするとまた元に戻るというのが現実です。
実は、肩こり・首こりというのは、非常に根本改善が難しく、時間のかかる症状なのです。
それはなぜか?と言いますと、
肩がこる首がこる原因は、姿勢が大きく関与している
からです。
(姿勢について←お読みください)
姿勢が崩れることにより頭の位置が体幹上からズレ、そして頭の重みが首~肩にかけてズシーンとのしかかることによって筋肉に過度な負担がかかって硬直してしまってるのです。
この頭の位置を正しい位置に戻すことをしないと、いくら一時的に筋肉を緩めても、またすぐ負担がかかって硬直するという繰り返しになります。
そして、その硬直がひどくなると「頭痛」が起こる方も多くおられます。
なぜ、肩こり・首こりがひどくなると頭が痛くなるかと言いますと、
写真は後頭骨から首(頚椎)にかけての模型です。
印をつけてある赤い部分は椎骨動脈という血管なのですが、見ておわかりのとおり、首から後頭骨の間をすり抜けるように血管が通っています。
この血管が首の骨がズレたり、または後頭下筋群といった後頭部と首をまたいで付いてる筋肉群の拘縮によって圧迫され脳に行く血液の量が減少し、その結果脳の中が酸素不足となり頭痛が引き起こされるのです。
これらのことから、肩こり・首こり、または頭痛を根本から改善するには、
頭を正しい位置で支える身体のバランス作りが不可欠
なのです。
当院では、肩や首の症状であっても、
・足底のアーチの状態←重心を正しく保つために必要
・股関節の可動域←体幹をしっかり起こすために必要
・骨盤の状態←左右のバランスを保つために必要
・背骨(椎間関節)、肩甲骨の可動域←猫背解消のために必要
などはしっかり診て調整していきます。
そのうえで、患者様自身にも正しい姿勢を意識して頂くための指導、また正しい姿勢をとりやすくするためのエクササイズの指導を行います。
このようにして正しいバランスを身につけることによって、一時的に「気持ちいい」「スッキリした」というだけでなく、「肩、首がこらない」「頭痛がこない」身体になるのです。