第38回「知っておきたい速筋(白筋)と遅筋(赤筋)」

2017-08-11

人間の身体は、全身くまなく筋肉に覆われています。

そして、神経を伝って脳からその筋肉に指令が伝わり、身体のあちらこちらを動かすことができています。

その筋肉ですが、筋肉というのは細い筋細胞「筋線維(きんせんい)」が束となって作られています。

西東社『筋肉のしくみ・はたらき辞典』

そして、この筋線維の性質によって筋肉のタイプが分けられます。

 

筋肉のつき方の違い

現在ロンドンで『世界陸上』が開催されていますが、同じ「走る競技」をしていても、短距離の選手と長距離の選手では筋肉のつき方が違うのが見ていてもおわかりではないですか?

短距離の選手は、見た目から筋肉が隆々としていてガッチリした感じで、長距離の選手は見た目ではそれほど筋肉がついているようには見えないと思います。

また、陸上に限らずスポーツの種類によって、選手の筋肉のつき方というのは違ってきますよね。

 

この違いが、

「速筋(白筋)」「遅筋(赤筋)」という筋線維のタイプによって起こるのです。

 

「白身魚」と「赤身魚」

速筋のことを「白筋(はっきん)」とも呼び、遅筋のことを「赤筋(せっきん)」とも呼ぶのですが、この違いをわかりやすく説明するのによく用いられる例が「魚」のタイプです。

獲物を捕らえようと瞬発的に動くタイやヒラメは「白身魚」

海域を長距離泳いで移動するマグロやカツオは「赤身魚」

ですよね。

まさに人間の筋肉もこのとおりなのです。

このイメージを持って、「白筋」と「赤筋」の違いを見ていってください。

 

速筋(白筋)の特徴

・皮膚のすぐ下にある表面から見てわかる筋肉(浅筋)。

上腕二頭筋、三角筋、大胸筋、大腿四頭筋、腓腹筋など

・大きくてパワーがある。

・瞬時に筋力を発揮する。

・筋力が低下しやすい。

・持久力に乏しい。

・動いている時にのみ代謝する。

・筋肉を使ってるわりに痩せにくい。

・ウエートトレーニングやダッシュなどで鍛えられる。

遅筋(赤筋)の特徴

・中層から深部にかけての筋肉(中間筋、深筋)。

おもに脊柱起立筋群

・持久力がある

・力はさほどない

・姿勢を正すのに使われる。

・寝ていても代謝する。

・痩せやすい。

・ジョギング、太極拳、スロートレーニングなどで鍛えられる。

 

ダイエットのためには「白筋」より「赤筋」を

このように、筋肉はタイプによって働きが全く異なります。

 

なので、トレーニングをする際に、自分が「どうなりたいのか?」という目的をはっきりさせたうえで、それに応じたトレーニングをしていかないと効果・成果は上がりません。

 

「痩せたい!」と思ってスポーツジムに通ってガンガン筋トレをして汗を流しているのに「全然痩せない・・・」という方はいませんか?

 

それは白筋ばかり鍛えてしまっているせいかもしれませんよ。

 

同じ走るにしても、短い距離をガンガン何本も走る「インターバル走」よりも、ゆっくり長く走る「LSD」の方が痩せやすかったりします。

 

ぜひこの「白筋」「赤筋」のことを知っておいてください。

 

 

 

 

 

 

 

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