第3回「姿勢について」
前回の最後に「一度自分の姿勢を気にしてみて下さい」と書きましたが、「正しい姿勢とはどういった姿勢ですか?」というご質問をいただきました。確かにそこはとても大切なことですので、今回は「姿勢」をテーマにお話しさせて頂きます。
人間の背骨は下の図のように、首は前へ、背中は後ろへ、そして腰は前へと、ゆるやかにS字状にカーブしており、そのちょうど中心に頭がくるのが正しい状態です。
しかし皆様にも思い浮かべて頂きたいのですが、日常生活の中で目線を上に上げることと下に下げることでは、どちらが多いですか?また、背中を反らす動作と丸める動作では、どちらが多いですか?そうです、大半の人が圧倒的に目線を下げ、背中を丸めることの方が多いのです。それに加え近年では、パソコン・ケータイ・ゲームなどの普及によりその傾向がますます強くなっていっています。そしてその結果、下の図のような姿勢の人がドンドン増加していってるのです。
S字が崩れ、いわゆる「猫背」です。こうなると見てもわかるとおり、頭の位置が中心よりも前へズレ、頭の重みが首から肩にのしかかり、肩こりや頭痛の原因となります。また、背中から腰にかけての筋肉や靭帯が常につっぱった状態となるため、ぎっくり腰を起こしやすくなります。その他にも、五十肩や椎間板ヘルニアなどになる危険性も高まるのです。
では、正しい姿勢とはどういった姿勢かと言いますと、下の図のように頭がしっかりと背骨の真上にきてる姿勢です。
ポイントは「腰」です。腰の前へのカーブを正常に保つことができれば、自然に背中から首は起きて頭が中心にきます。ただなかなか自分の意識でその姿勢を保つのも大変ですから、慣れるまでは図のように背もたれを利用し、腰に柔らかめの当て物などをすると楽にできますので、ぜひお試し下さい。