第24回「『走る』と『姿勢』の関係性」

2017-05-23

先日ネット上で面白い記事を見つけました。

「なぜお父さんは運動会で転ぶのか?陸上トップ選手が分析、原因は仕事中の姿勢?」

内容は、皆様もよく見かけたことがあると思いますが、運動会でお父さん競技や親子競技にはりきって出場したお父さんが転んでしまうというシーンについて、陸上のトップ選手がその原因は「仕事中の姿勢」にあると分析してるといった内容です。

さすがトップ選手だけあって、非常に理にかなった分析だと思います。

 

しかし、この問題は何もお父さんもしくは大人だけの問題ではなく、

子供たちにも共通してる問題です。

当院には学校の先生をされている方が数名通院されてましてよく話しを聞くのですが、最近の子供たちは、

よく転ぶ、すぐ転ぶ

そして

よくケガをする、すぐケガをする

と、みなさん口を揃えて言われます。

 

この原因がまさに「姿勢」にあり、そこからくる「筋力低下」が大きく関与しています。

たびたび「姿勢」についてはお話ししてあるとおり、近年はゲーム・パソコン・スマホの普及などにより、「猫背」の方が急増しております。(大人・子供問わず)

本来、人間は立位の状態では踵の方に重心が掛かるのが正常なのですが、猫背の状態では前のめりのバランスになるので、重心はつま先側の方に掛かりやすくなります。

 

そうなると歩く時・走る時の基本となる足の運び、

・踵から地面に着地(ヒールストライク)

  ⇓

・足裏全体が地面に接地(フラットフット)

  ⇓

・親指で蹴る(プッシュオフ)

これが出来ず、つま先をズルズル滑らすような感じで足を前へ運ぶことになり、特に走る時は気持ちが「前へ、前へ」といってしまうため、つまづきやすくなるのです。

 

また、普段から猫背でいると上体をしっかり起こすのに重要な筋肉

背筋(脊柱起立筋・せきちゅうきりつきん)が弱っているため、走る時に前傾姿勢になった際に自分の頭の重さを支えきれなくなりドンドン前かがみの姿勢になって、最終的に前のめりに転んでしまう・・・というケースも多いです。

 

 

速く走れるようになるためにも、普段の姿勢は重要

 

走る時にとっても重要なポイントは、股関節肩甲骨の動きにあります。

当然のことですが、股関節がスムーズに大きく動けば足の回転はよくなります。

肩甲骨がスムーズに大きく動けば腕がよく振れます。

 

しかし、普段の姿勢が悪い人は、股関節を前へ動かす役目である大腿直筋(だいたいちょっきん)や腸腰筋(ちょうようきん)が拘縮して動きを制限してしまい、また後ろへ動かす役目である大殿筋(だいでんきん)やハムストリングは低下してしまいます。

 

そして、猫背になると肩甲骨の位置は正常の位置よりも外方向にズレ、背筋群の緊張により動きを制限されてしまうので腕の振りが小さくなってしまいます。

 

このように、きれいなフォームで気持ちよく、そして速く走るためには、走る時だけ姿勢を気をつけるのではなく、

普段から姿勢を気をつけ、正しい身体のバランスを作っておくことが重要なのです。

ちょうど今は町内運動会や小中学校の運動会など、運動会シーズンであるご家庭も多いと思いますので、ご家族で今一度「姿勢」を意識し合ってみてください。

 

 

 

 

 

 

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