第40回「今流行りの筋膜リリースとは」
最近テレビなどでもよく取り上げられ、スポーツの世界などでも取り入れられている「筋膜リリース」というのを、皆様もお聞きになったことはあるでしょうか?
私も4年ほど前に興味が沸いてセミナーを受講し、それ以来当院の施術にも導入して活用しております。
では、具体的に「筋膜リリース」とは、どういったものなのでしょうか?
筋膜とは何?
筋膜とは、簡単に言えば「筋肉を覆っている膜」であります。
細かく言いますと、
筋肉全体を覆っている筋外膜
筋線維の束を覆っている筋収膜
筋線維1本1本を覆っている筋内膜
と、3種類に分けられます。
そして、この筋膜は身体の表層から深層まで隅々までを覆い、体を支える重要な働きをしていることから
「第二の骨格」とも言われているのです。
凝りや痛みの原因が筋膜にあり?
筋膜は非常に柔らかい組織ですので、過度な運動や水分の欠如などによりしわしわになってしまい、筋膜同士の滑りが悪くなり、その状態が悪化すると癒着といってくっついてしまったりすることがあります。
その結果、筋肉の柔軟性が失われ、凝りや痛みの原因となってしまうことがあるのです。
また、癒着が神経との間に起こると、神経痛の原因となることもあります。⇒「坐骨神経痛」
筋線維自体、もしくは筋肉自体に伸縮性があっても、この筋膜の柔軟性が失われていたり、癒着などが起こっていると筋肉はスムーズにはたらかないということなのです。
このように、しわしわになってしまった筋膜をアイロン掛けのようにきれいに伸ばしたり、癒着してしまってる箇所を引き離したりするのが、「筋膜リリース」もしくは「筋膜はがし」と言われているのです。
正しい筋膜リリースとは
まず間違ってはいけないことは、
硬くなった筋肉をゴリゴリほぐす=筋膜リリースではない
ということです。
ゴリゴリほぐすのは、単に筋線維を痛みつけ、「痛い=効いている」と錯覚しているだけであります。
硬くなった筋膜は、むやみやたらにほぐしても正しい状態にはもどりませんし、まして癒着してある箇所が解放されることはありません。
逆に炎症を強めて悪化する危険性もあります。
まずは、
・どの部分の筋膜が異常を起こしているのか?
・その筋膜は正常な状態ではどのように付着しているのか?
・その筋膜はどの動作に対してどう動くのか?
などを知っておく必要があります。
これらを理解しておくと、少ない圧で摩ってあげたり、ごく簡単なストレッチで、しわしわになった筋膜を元通りに伸ばしてあげることができます。
テレビや雑誌で見て見様見真似でやる前に、専門家の人に身体の状態を診てもらって、ちゃとした指導を受けてから始められることをお薦めします。