第9回「ランニングによる障害(4)」
今回は「ランニングによる障害」のまとめです。
これまでにランニングによる代表的な症状を3つ紹介してきました。(腸脛靭帯炎・シンスプリント・足底筋膜炎)
もちろん、この他にもランニングによって起こりうる症状はいくつもあります。
***アキレス腱炎***
ふくらはぎの筋肉(腓腹筋・ヒラメ筋)にはランニングやジャンプをする際に相当強い力がはたらきます。ですから、ランニングをするだけしてストレッチなどのケアを欠いていると、ふくらはぎの筋肉に疲労がドンドン蓄積してアキレス腱部に炎症が生じます。ひどくなると断裂することもありますので、かかとの上あたりに違和感を感じた際には注意しましょう。
***鵞足炎(がそくえん)***
膝の内側には大腿部にある縫工筋(ほうこうきん)・薄筋(はっきん)・半腱様筋(はんけんようきん)という筋肉が集合して付着している部分があり、この部分を鵞足(がそく)と呼びます。ランニングのように膝の曲げ伸ばしを繰り返すことによって炎症が生じやすい部分です。膝の内側に違和感を感じた際には注意しましょう。
***膝蓋靭帯炎(しつがいじんたいえん)***
大腿部前面にある大きな筋肉・大腿四頭筋(だいたいしとうきん)は膝を伸ばす際に強くはたらく筋肉ですので、ランニングの練習量が増えてくると過緊張を起こします。そうすると筋肉の付いてる部分である膝蓋靭帯に炎症が生じるのです。膝のお皿の下あたりに違和感を感じた際には注意しましょう。
この他にも足に限らず、腰や背中・肩・首などにも症状が出るケースはありますが、どの症状にも共通して言えるのは、
一、オーバーワーク・・・・・自分のレベルに合わない距離や時間を走ったり、休養日を入れず連日走ったりしていると、体にダメージが溜まる一方で痛みが生じてきます。
一、ケア不足・・・・・ランニングによって発生した疲労物質をそのままにしておくと炎症が生じ痛みにつながります。
この二つが二大原因です。
大会とかに出ている人はどうしてもオーバーワークになりがちですが、距離や時間を伸ばす際には、自分の体と相談しながら、徐々に段階を踏んで伸ばしていきましょう。そして、練習量を増やした分、しっかりケアも心掛けましょう。
私事でお話しすると、「3日続けて走らない、3日続けて休まない」というペースで練習しています。そして、走った日は30分ぐらいかけてストレッチしますし、走らない日も1時間ぐらいかけて全身の筋肉をストレッチしています。後、20キロ以上の長い距離を走った際にはアイシングも欠かしません。
これからは寒さも厳しくなっていきますので、しっかりとお体の状態を気にかけながら、故障なく楽しいランニングライフを過ごしていきましょう。