第32回「姿勢不良からくる背骨の歪み・症状」

2017-06-22

皆様もよく「背骨が歪んでる」という言葉を口にしたり、耳にしたりすると思います。

当院が主に行なってる「カイロプラクティック療法」の定義では、「背骨の歪みを正すことにより神経伝達が回復され、自然治癒力が高まり健康が増進される」とされており、逆に言うと、

背骨が歪む⇒神経伝達が悪くなる⇒不健康になる

ということになります。

 

今回は、この「背骨の歪み」についてお話ししていきたいと思います。

「歪み」が起こる原因は、スポーツなど身体を動かす中で起こる歪みももちろんあるのですが、今回は日常生活の中での「姿勢」が原因で起こる「歪み」についてお話ししたいと思います。

 

正しい背骨の状態

背骨、正しくは「脊柱(せきちゅう)」と言いますが、

上から頚椎(けいつい)が7個、胸椎(きょうつい)が12個、腰椎(ようつい)が5個、この計24個の椎骨(ついこつ)が骨盤の上に重なって形成されています。(*稀に1つ多いとか1つ少ないとかあります)

当然ですが、後ろから見た時はまっすぐになってるのが正常です。

 

そして、横から見てみると、写真のようにS字状になっています。

頚椎の部分が前へカーブ⇒前湾(ぜんわん)⇒正常だと半径17〜30㎝の円のカーブ

胸椎の部分が後ろへカーブ⇒後湾(こうわん)⇒正常だと半径32㎝の円のカーブ

腰椎の部分が前へカーブ⇒前湾(ぜんわん)⇒正常だと半径20〜30㎝の円のカーブ

これを、S字湾曲、もしくは生理湾曲と言います。

 

脚を組んで座ると背骨は歪む

イスに座る際に脚を組んで座るクセのある方は「側湾症(そくわんしょう)」になる危険があります。

このように脚を組んで座ることにより、まず骨盤がズレます。

右の脚が上になるように組むと、写真のように右の骨盤がズレ、左右の骨盤の高さが違ってきます。

 

そうなると背骨が右に傾こうとするのですが、人間の耳の奥には「三半規管(さんはんきかん)」というものが存在し、常に目線を水平に維持しようとする本能があるため、背骨を歪ませて目線を水平にしようとします。

そしてこの際に、ただ単純に側屈(横に倒れる)するだけでなく、側屈-回旋(捻りながら横に倒れる)が起こって側湾症になるのです。

側湾症を改善するには

側湾症は、先天性といって生まれつき起こってるケースや、後天性においても、原因不明の突発性の病気によって起こるケースなどもありますが、成長期からの姿勢不良によって起こるケースがとっても多いです。

前述した脚を組んで座る以外にも、

・女性がよくする横座り

・立ってる時にどちらか一方の脚だけに体重をかける片足過重

・車の運転中に片肘をついて片手ハンドルで運転する

など、左右のバランスが崩れるような姿勢を日々とっていると、骨盤がズレ、背骨が歪んできます。

 

このような姿勢不良が原因で起こった側湾症を改善していくには、歪んでる部分を矯正するだけでなく、

骨盤の左右のバランスを矯正し、日頃の姿勢を正す必要があるのです。

 

猫背⇒胸椎過後湾

側湾症が左右への歪みなら、前後への歪みは「猫背」による胸椎の過後湾(かこうわん)です。

過後湾とは、後湾のカーブがきつ過ぎることを言います。

近年のパソコンやスマホの普及により、胸椎過後湾の方は物凄く増えております。

このような姿勢でスマホを操作したりしていないですか?

このような姿勢で日々過ごしていると、脊柱のS字湾曲は崩れます。

腰椎の前湾がなくなり、胸椎が過後湾となり、頚椎は前を見るために頭を起こすので過前湾になります。

 

背骨の歪みは、あらゆるところに影響が・・・

脊柱がこのように側湾したり、S字湾曲が崩れたりすると、

・慢性的に腰に張りを感じる。

・ぎっくり腰を起こしやすい。

・常に背中の張りを感じ、背中を攣りやすくなる。

・背中を反らす動きが悪くなるため、反らそうとすると痛みが走る。

・肩甲骨の動きが悪くなり肩が凝る、肩の可動域が低下する。

・頭を起こすために首の筋肉に疲労が溜まり凝る。

・後頭下から頚部の筋肉が過緊張状態のため頭痛が起こる。

・バランスが悪いので、めまいが起きやすくなる。

・重心を保つため下肢も疲労が溜まりやすくなる。

・自律神経が乱れる。

・内臓機能が低下する。

など、まだまだ上げていくとキリがないくらい多くの症状を引き起こす原因となります。

 

姿勢の意識とストレッチを心掛けよう

歪んでしまった背骨を施術によって改善しても、それは一時的に過ぎません。

お話ししてきたとおり、歪みを引き起こす原因は日常生活の中に潜んでいますので、正しい背骨の状態を維持していくためには、日頃の生活から気を付けていく必要があります。

まず座る時に脚を組むのをやめましょう。

そして、猫背にならないように、少しお腹を突き出すぐらいの意識を持ってください。

そうすると自然に胸は張れます。

それでもどうしてもお仕事をしてたり、家事をしてたりすると背中が丸まってしまうことはあると思いますので、そういった後には必ず伸びをしたり、背中を反らしたり、ストレッチをしたりして、丸まった状態がクセづかないようにしましょう。

これだけのことを意識するだけで背骨の状態は変わってきます。

特に成長期の子供は、まだしっかりと身体が出来ていないため歪みが出やすいですし、逆に言うと正しい状態にも持っていきやすい時期でありますので、大人がしっかり見て指導してあげてください。

 

 

 

 

 

 

 

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